バロック・フルート(フラウト・トラヴェルソ)

バロック・フルート(フラウト・トラヴェルソ)

バロック期に用いられた古楽器。
現在、フラウト・トラヴェルソ(イタリア語読み)といえば、バロック・フルートのことを指す。
(ただし、ドイツ語では現在でも"Querflote"[クヴェーア・フレーテ]という言葉が、一般的にフルートを指して用いられることがある。
フラウト・トラヴェルソの訳語としては"Traversflote"[トラヴァース・フレーテ]という言葉があるが、一般にはバロック・フルートを指す場合、"flauto traverso"が使われる。
英名は"transverse flute"[トランスヴァース・フルート])。
管体はツゲ、カエデ、梨、黒檀などが用いられるが、比較的軟らかい木材が好まれる。
頭部や連結部分には象牙を用いる。
現在でもフランス・ブリュッヘンら古楽系の奏者によって復元楽器が盛んに演奏され、アマチュアにも広まりつつある。

アイリッシュ・フルート

アイリッシュ・フルート

アイルランドの民族音楽(いわゆるケルト音楽)で用いられるフルート。
といっても民族楽器といえるほど歴史あるものではなく、ベーム式フルートが普及する以前の19世紀ごろにクラシック音楽で使われていた、古い形のフルートの生き残りといえるものである。
バロック・フルートと同じく木製でD管だが、6孔でキーなしかシンプルなキーのみで、半音を出すのは困難である。
円錐管のものが多く、管体は黒檀などの硬い材質が好まれる。
頭部や連結部分に金属をあてがうものもある。
太く深みのある、ややかすれた感じの音色で、現在のC管フルートより調性は高い割には、比較的低音域を吹くことが多い。
アイルランド語:fliuit(フルート)、feadog mhor(ファドーグ・ウォア:「大きなホイッスル」の意味)

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